フラックス / パティーナについて |
◇フラックについて◇ FLUX(フラックス)の日本語訳は「融剤」ですが、ステンドグラスの場合、半田が母材=半田される側の金属になじみきれいに流れるようにする薬品を意味します。 フラックスの役目 フラックスは1)母材表面の酸化皮膜をはがし、2)半田と母材表面に薄く膜を作り、作業中の酸化を防ぐと同時に、3)半田の濡れを良くするという役割を果たします。当社では液体のものを液体フラックス。バター状のものをペーストと呼んでいます。 液体フラックスの主成分は塩化亜鉛です。活性力が強く長期作業で表面が酸化したコッパーフォイルや鉛線などでも半田がきれいにできますが、反面酸性が強く腐食性があるため、作業後の洗浄が十分でないとあとで半田や鉛部分が腐食され、白いカビ状のものが生じる原因になります。(8959:フラックスA など) また鏡では銀色の被膜が剥がれやすくなります。半田作業後は、残渣用洗浄液(8957:735-)で良くふき取ってください。 一方、非腐食性のものの主成分はいわゆるロジン(松脂:まつやに)です。常温では非活性ですが、170度以上になると活性化しフラックスとしての役割を果たしますが、高温になりすぎると分子構造が変化しフラックスの役割を果たさなくなるので注意が必要です。半田作業が終わり、常温に戻ると非活性になるので多少残渣があってもそれほど腐食が生じることはありません。当社工房部門では10年ほど前までは、薬局で松脂・お肉屋さんでラードを入手し、お鍋で溶かして自家製ペーストを作っていました。ステンドグラスではロジンを主成分に少量の活性剤(酸やハロゲン物質)を加えたものが使いやすく良く使われます。ノコロデペースト8961:525-がこの代表で当社のオススメ品です。また活性力が強くしかも腐食性が少ない液体フラックスとして、強力フラックス(塩化亜鉛ではなく臭化亜鉛の水溶液)8951:580-が良く使われています。腐食性と活性力はコインの裏表です。用途に応じてお使いわけてください。 |
◇パティーナについて◇ 半田面を着色する薬品をパティーナと言いますが、黒い色に染めるブラックパティーナ、銅色に染めるコパーパティーナ、真鍮色に染めるゴールドパティーナなどあります。真っ黒に染まるブラックパティーナは二酸化セレンを含む「毒物」のため、当社では原則として通信販売を行っておりません。 硫酸銅が主成分のパティーナ 毒性が比較的弱くて、しかも黒く染まるブラックパティーナで当社扱いのものに8949:ブラック・EXと894-NTL:ブラック・ナチラルがあります。溶液は共に硫酸銅を示す薄青色です。 上手く染まらない時は パティーナできれいに染めるには、脱脂・脱酸が不可欠です。手の脂や油脂系のペーストが残っているとムラになり、上手く染まりません。洗剤などで油分をしっかり取ってください。また目には見えなくても、酸化被膜が表面にあるとやはりきれいには染まりません。スチールウールなどで良く表面を磨いてください。 |
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